カレンダーを作るとき、祝日(国民の祝日)は内閣府のホームページを参考にします。国立天文台でも同様の情報を入手できます。この情報は、毎年2月に、翌年の情報が開示されます。内閣府のホームページを見れば、確かに、いつが休日であるのかは、わかるのですが、ただ「見て確かめる」だけなのです。
かろうじて、CSVデータでダウンロードすることはできるのですが・・・。
問題はここからです。
プログラムでカレンダーを表示させ、そのカレンダーに祝日(国民の祝日)を自動で取得し反映させようとすると、そのような公的な仕組みがありません。e-Gov(各行政機関がそれぞれのWebサイトで提供している行政情報を国民が有効に活用できるように、総合的な検索・案内サービス)という行政APIの活用の仕組みがあるのですが、祝日(国民の祝日)を提供するAPIは、無い。
なぜ?
祝日(国民の祝日)を提供する公的なAPIが存在しない理由をご存知の方がいらっしゃったら、ぜひ教えていただきたい。
祝日(国民の祝日)を提供する公的なAPIが存在しないことについては、ずっと以前から気になっていたのですが、DX推進時代に、こんな基本的かつ簡単なAPIがどうして存在していいないのか、理解に苦しみます。もちろん、Googleだとか、そのほかの「誰か(それは企業や組織である場合もあれば、個人である場合もあります)」が提供している「祝日(国民の祝日)API」は、存在します。
「無料で使える仕組みと情報が、インターネット上にはたくさんあるではないか。」
確かに、その通りではあるのですが・・・。
それはあくまでも「誰か」が頑張って作ってくれたものを、勝手に使わせていただいているだけのことで、その「誰か」が「もう、辞めますわ〜」と言った瞬間に、「誰かが作ったもの」を前提として作ったプログラムは機能しなくなるわけです。そして、困った困った、となっても、怒りのぶつけどころもない。
だって、「誰か」のご好意にタダで乗っかってただけなんですから。
その点、行政APIというのは、行政団体が貴重な税金を使って得た情報を、広く活用できるように、という趣旨で用意されているものです。私自身がこの行政APIを使いこなしているわけではないのですが、言い換えると「難しすぎて使いこなせる情報が、見当たらない」ということです。使いこなせないような難しい仕組みなんて、税金の無駄使いじゃないか!そんな話ではないのです。難しいことができるのに、なぜ簡単なものが放置されっぱなしなのかが、謎でしかないのです。
インターネットの普及でさまざまなことが便利になったのは間違いないと思うのですが、それと同時に「未知の情報や技術に、無秩序に依存する」という風潮もあると思うのです。未知の情報とは、つまり「情報の発信元が、明らかではない」とか、本当に信用できるのか、といった裏付けがない、という意味です。インターネットが普及し始めた頃に、匿名性に関する問題として、よく話題になった、あれです。そして、この匿名性については、現在においてもさまざまな問題(誹謗中傷など)が指摘されていますね。
さて話を戻して、この「カレンダー問題」についてですが、私の本来の生業である「印刷デザイン」に関する限り、できるだけそのような未知の情報に依存せず、自力で編集するという方針を私は貫いてきました。そうやって頑張って作った「印刷用データ」ですが、割と気軽に「そのデータ、くれない?」と言われることもあって、常識を疑うというか、悲しい思いを何度もしたものです。尊い時間と労力を割いて作ったデータが、タダな訳ないのですから。
インターネットの世界でさまざまな情報が気軽に入手できるからこそ、全く同じような感覚で「カレンダーも気軽にもらっちゃえ」みたいに考えてしまうのでしょうか?
しかし、殊更ホームページの制作現場では、そのような頑なな姿勢は「非効率的」と一蹴されるのがオチです。実際、幅広い分野でプログラムコードが入手可能だったり、オープンソースという誰でも気軽に導入できるプログラムがあったりするのも、やはりインターネット時代の特徴でもあります。
「オープンソース」についてはいずれ別の記事したいと思いますが、「オープンソース」は誰でも利用できるだけでなく、誰でも開発に参加できる、といった類のものもあり、世界中からさまざまな知見と技術をもった人が開発に参加することで、驚くべきスピードと品質で改良が進められる場合もあるのです。これはインターネットの普及が及ぼした「良い一面」かもしれません。
そのようなインターネットの世界だからこそ、という言い訳を隠れ蓑に、このホームページでも「誰か」が頑張って作ってくれたものを、タダで、使わせていただくことにしました。
Searchlightのホームページで祝日データの取得をするために使用させてもいただいたのは、これ。
https://holidays-jp.github.io/
こちらのJSONデータを利用させていただくことにしました。
当該サイトの運営者のご尽力に感謝です。